■風邪薬のニュース インフルエンザ患者Aソ連型が57%
今冬のインフルエンザのうち、治療薬「タミフル」への耐性遺伝子が検出されて問題となっているAソ連型の比率が患者の約57%に達したことが3日、国立感染症研究所の集計で分かった。一方、今年のAソ連型に効かないとされるタミフルの効果について、医療現場で「実は効いているのではないか」との見方も出ている。
人がかかるインフルエンザは主に「A香港型」「Aソ連型」「B型」の三種類。感染研が3日公表した1月25日までの調査で、昨年12月の流行入り以降に検出されたウイルスのうちAソ連型の比率が57%に達した。A香港型が32%、B型は11%だった。
1月16日の発表ではAソ連型は36%で、A香港型(45%)より少なかった。流行の本番を迎えるにつれAソ連型の比率が高まっている。
今冬のAソ連型は、タミフル耐性の遺伝子を持つウイルスが98%の比率で検出された。ただこれは実験室の解析結果で、薬が効かないかどうかについて、専門家から疑問の声もある。
インフルエンザに詳しいけいゆう病院の菅谷憲宍・小児科部長が横浜市衛生研究所と実施した調査では、今冬のAソ連型の小児患者のうち、遺伝子解析でタミフル耐性が確認された5例は、タミフルを投与した後の解熱期間が平均1.6日。耐性がほとんどなかった昨冬以前の調査結果と比べ解熱までにかかる時間が特に長いわけではないと指摘する。
国立感染研の安井良則・主任研究官は「耐性ウイルスにタミフルが効いているか、ウイルスがあまり強くないためタミフルが効かなくても自然に解熱している可能性もある」と話している。
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