■ 風邪薬のニュース -3- 3つの予防法で風邪撃退
基本は対症療法。そのまま放置してもかぜの99%は治ります。しかも治療するにしてもその原因の特定が難しいので、目に見える症状を抑える「対症療法」が主体になります。これは薬局で買える一般用医薬品(大衆薬)であっても、自分の症状に合った薬を上手に使えぱ、QOL(生活の質)が大幅に改善されることを意味します。かぜはひき始めが勝負です。安静、保温、水分補給の三つを心がけて、体力を保持しながら体に備わる抵抗力を使い病原体をやっつけます。それでも鼻水が止まらなければ、鼻汁の分泌を抑える成分が入っているかぜ薬を使います。のどが痛けれぱ、のどの痛みのことを考えた処方のかぜ薬を。かぜ薬も症状に合わせて処方に特徴を持たせているものもあります。迷ったときは薬局や薬店で薬剤師に症状を伝えて相談してください。病院や診療所へ行くかどうかを判断する目安は、大人ならば体温が37度5分から38度といいます。ただし、冬場はインフルエンザの可能性があるので、高熱が3日続いてからでは手遅れです。(お子さんの場合は、解熱剤は医師に処方してもらいましょう)大衆薬であれ、医師が処方する薬であれ、対症療法が基本ですから、薬は症状の改善が実感できるまで使います。治療中は安静にします。仕事を休み自宅でゆったりしましょう。のどが渇けば水を取り、おかゆが食べたけれぱおかゆを食べるなど快適に過ごします。「保温」といっても温めすぎは禁物。室温や讐ている服などによりますが、寒さを感じないようにすればよく、特別に布団や毛布をかける必要はありません。乾燥すると病原体を体外に追い出す機能が落ちるので、加湿器やマスクがあれば使います。治療が効いて病原体がいなくなっても気分が回復しないことがあります。これについては炎症の後漕症が完全に消えるまでの回復期には、薬は必ずしも必要ありません。むしろ副作用が目立つようになります。また、点滴を受けると体調が良くなると言われることがありますが、200mlの点滴で得られるカロリーはあめ玉―個程度ですから、むしろかぜには市販のスポーツドリンクを上手に使った方がよいといえます。「免疫力」という言葉をよく耳にします。免疫とは、疫(感染症)をのがれる能力のことで、人体にとっての異物を排除する力(反応力)、生命体の基本的な反応のことです。異物とは第一に病原体、第二には、皮膚表面、あるいは傷口や粘膜にくっついて、人体に影響を及ぼすものです。免疫力は体力や健康度とも強い関連があります。せき、鼻水、たんなどのかぜの症状は、どれも大事な体の防御反応(異物反応)です。免疫により病原体を体から追出す抵抗力の一部であるせきや発熱まで抑える薬は、結果的に回復力が落ちることがあります。40年くらい前に、抜群に効く小児用せき止めが発売されました。ところが肺炎になる患者が増えたそうです。子どもには強いせき止めを使用するより、作用の穏やかなせき止めとたんを取り除く薬を併せて使い、水分を補給する方が望ましい場合もあります。抵抗力を生かしつつ、体の不具合を修復する方が高い治療効果が得られることも少なくありません。高齢者では、せきも鼻水もくしゃみも出ずにいきなり肺炎になることがあります。自分のかぜの特徴を知り、自分にあった治療法を見つけることも重要です。ただし、かぜ症候群の原因の大部分はウイルスです。ウイルスが200種類以上もあるので、年に何回もかぜをひくことになります。かぜのほとんどは軽症で済みます。でも、インフルエンザウイルスやSARSのコロナウイルスのように、重い症状を出すウイルスもあります。
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